東芝の所属選手として2年目のシーズンを終えた高橋彩華プロに、2021年の戦いを振り返ってもらいました。
――長いシーズンおつかれさまでした。
「ありがとうございます!」
――2021年のシーズンが終わって、ご自身ではどのように評価されていますか?
「成績も、体のコンディションも、全体的に安定して終えることができたかなと思います」
――満足していますか?
「満足までは行かないですけど、100点中85点くらいです」
――その点数は合格点ですか?
「ギリギリ合格点ですね」
――優勝できなかったことが減点対象ですか?
「自分では優勝できると思っていたので、優勝できなかったのは悔しいですね。でも、今年は毎試合トップ10に入ることを目標にしていましたから、その目標に対してはけっこういいゴルフができた試合が多かったです」
――2021年は37試合に出場し、トップ10フィニッシュが19試合でした。
「おー、50パーセントを超えたのですね。調子があまりよくないときでも、しぶとくトップ10に入れたのはよかったです」
――優勝争いに加わったトーナメントを1試合ずつ振り返っていきたいのですが、まず4月のヤマハレディースオープン葛城で、通算9アンダー首位タイで最終日を迎えました。
「あのときは勝ちたい気持ちが大きかったんですけど、最後のハーフでいつもより緊張していました。16番パー4で(緊張で)うまく打てなくてボギーになったことが負けた原因かなと思います(通算10アンダー3位)」
――その翌々週のKKT杯バンテリンレディスオープンでも、2位と1打差の通算10アンダー単独首位で最終日を迎えました。このときはどんな心境でしたか?
「勝ちたい気持ちは一緒でしたが、あの日は朝から風がけっこう強かったので、リズムがちょっと合わなくなってしまいました(通算3アンダー15位タイ)」
――さらに5月のワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップでも、2位と3打差の通算12アンダー単独首位で最終日を迎えました。
「あのときは“今度こそ勝つ!”という気持ちで臨んだのですが、空回りしちゃった感じでした(通算10アンダー5位)」
――優勝できなかった悔しさはもちろんあったと思いますが、優勝争いに何度も加わっていることへの満足感もあったのでしょうか?
「そうですね。気持ちの部分で詰めの甘さはありましたけど、目標としていたトップ10に入れる試合が多かったのはよかったかなと思います」
――高橋プロは試合の間隔が空くと慣れるまでに時間がかかるスロースターターを自認されていましたが、2021年は序盤戦からスタートダッシュを決めることができたのは、何がよかったのでしょうか?
「シーズンオフに直したスイング改造がハマって、ショットに安定感が出た結果、スコアも安定しました」
――具体的にスイングのどんな点を直したのでしょうか?
「トップでシャフトがクロスする(ターゲットラインに対して右を向く)クセがあったので、レイドオフ(ターゲットラインに対して左を向く)に直しました」
――そのスイング改造がシーズンを通じてうまくいった要因でしょうか?
「いや、夏ぐらいから少しズレてきまして、一時期は低迷したんですけど、そこからもう一度意識して持ち直しました。シーズン中に直せるだけの修正はできたと思います」
――その後も7月のニッポンハムレディスクラシックで、首位と4打差の通算7アンダー3位タイで最終日を迎え、最終組をプレーしました。
「ニッポンハムのときは上位の2人が先を走っていて、全然届かないなと思ったので、途中から3位狙いに切り替えました(通算9アンダー3位タイ)」
――さらに7月の楽天スーパーレディースで、2位と1打差の通算13アンダー単独首位で最終日を迎えました。
「あのときが今までで一番落ち着いていましたし、内容もけっこうよかったんですけど、(吉田)優利ちゃんのほうがいいプレーをしたから負けちゃったかなという感じでした(通算15アンダー2位タイ)」
――この試合で前半戦が終了しましたが、どんなことを考えましたか?
「そのあたりは本当に毎試合トップ10に入りたいと考えていたので、トップ10にたくさん入れたなと思っていました(22試合中11試合でトップ10フィニッシュ)」
――後半戦のテーマはどのように設定しましたか?
「ずっと一緒です。毎試合トップ10に入りたいと考えながらプレーしていました。後半戦は前半戦ほどのショットの安定感はなかったんですけど、それでもけっこうトップ10に入れたので、組み立てはうまくできていたのかなと思います」
――9月に1試合、住友生命Vitalityレディス東海クラシックで棄権がありました。
「今年の春先から左足首が少し痛かったんですけど、けっこう痛くなってきたので悪化する前にやめました。その後しばらく安静にしていたら、すぐに治ってくれたので、次の試合からは普通に回れました」
――そこから11月最終週のJLPGAツアーチャンピオンシップまで10連戦を無事に戦い抜きました。
「後半戦は少しかみ合わなくなった時期もあったんですけど、トータルで見たらそんなに悪くなかったのかなと思います」
――最終的に2020-21シーズンは獲得賞金1億884万8310円、賞金ランキング11位、メルセデス・ランキング8位という成績になりました。
「優勝なしでこの順位はよかったのかなと思います。自分の中ではやり切った感じがあります」
――2021年の開幕前は初優勝を目標に掲げていましたが、シーズンを戦う中で優勝するよりも常に上位に入ることのほうが、優先順位が上になったのでしょうか?
「そうですね。いつも上位でプレーできるとゴルフが楽しいですし、次の試合のモチベーションにもなります。そこは1年を通して維持していきたいと思います」
――そうすると2022年も同じような戦い方になりますか?
「はい。今年は毎試合トップ10を目標にして、それがけっこうよかったので、来年もそれをベースに毎試合トップ5を目指し、うまくかみ合ったときに必ず勝ちたいです。初優勝を目指して頑張りますので、応援よろしくお願いします!」